はじめに
こんにちは、Pです。
4月から新しい場所で仕事が始まった方は、環境に少しづつ慣れてきましたでしょうか。
さて、この時期は少しづつ実施する業務が増えてくる頃だと思います。
見学が一通り終わって、実践の時期です。
そこで出てくるのが指導案。
▼こちらにもやっておくと良いこととして書いていました(^^)
特に産科領域では多い指導案の作成。
そこで、指導案ってどうやって作るんだっけ…。という方に向けて、ポイントをいくつかお伝えできればと思います。
今回は、どの指導案にも通じるような指導案の概要(外枠・ポイント)についてお伝えしていきたいと思います。
それではいってみましょう!
指導案作成のポイント
フォーマットと資料の確認
まずは指導案を書くフォーマットを確認しましょう。
先輩からフォーマットを指定される場合もありますし、学生時代に使用したものやオリジナルのものでも良いと言われるパターンもあります。
そして、基となる資料の確認も行います。
指導で使われている指定のテキストやマニュアル、資料等のことです。
主にこれを中心に指導が行われている場合が多いので、手に入れられれば持っておきましょう。
目的の設定
次に、目的を設定します。
指導内容を考えるにあたって大事な指標になるので、具体的に考えておくと良いでしょう。
- 退院後に自立して健康管理ができるようにする。
- 育児に対する不安を軽減し、退院後の環境に合わせた育児ができるようにする。
教育の方法と場所を考える
指導内容に合った方法を選択します。
いくつかの型をお伝えします。
指導者中心型
講義や講演で多数の学習者に対して1人の指導者が知識を提供する。
時間・経済・人的に効率は良いが、学習者の能力や個性に対応しにくい。
(例:父親・母親学級、集団での退院指導等)
協働学習型
集団でコミュニケーション過程を通じて学習する方法。参加型。プログラム学習・学研学習など。
(例:父親・母親学級)
学習者中心型
個別学習や体験学習(例:実習・沐浴指導での実践)
視聴覚教育
資格や聴覚に訴える媒体(教材・教具)によって行う教育。
コロナ禍で、この教育方法が増えた印象です。
(例:eラーニング、動画での沐浴指導)
方法が決定したら、それに相応しい場所(規模やプライベート性など)を選択しましょう。
必要物品と配置を考える
テキストやペン、ホワイトボード、プロジェクターなどの必要物品を考えていきます。
細かな物品まで全て書き出していきます。(例;沐浴指導時の綿棒◯本、など)
そして、それらをどのように配置するかを考えます。
指導を実施する際に、動線や伝わりやすさが良くなる配置を設定して図にして書きましょう。
注意事項を考える
指導を行うにあたっての注意事項を考えます。
注意事項としては、対象者の安全と安楽が優先、伝達や進行がスムーズにいくようにする、よくあるトラブルの予防等に関することがよくあげられます。
- 一方的な説明ではなく、質問を取り入れ対象者の思いや不安を引き出しながら行う。
- 褥婦の健康状態、新生児の健康状態、生活背景等を考慮する。
進行時間を確認しておく
どのくらいの時間の中で指導を行わないといけないのか確認します。
この時間配分が一番難しい印象です。
限られた時間内でここは必ず押さえないといけないという部分を抑えつつ、指導する際の対象者のニーズに応じて内容の時間配分を変えたりする必要があるからです。
指導内容を項目ごとに分けて時間の目安を立てると、全体の進行の目安が立てやすくなります。
評価方法を考えておく
より良い指導になるよう改善していくには、評価が必要です。
毎日の業務の中の指導では、対象者の発言であったり、その後の行動をみることで評価し自分の指導の改善に役立てることがありますが、非常に曖昧な部分があります。
新人のうちは、先輩に一緒に指導に入ってもらって評価をしてもらうことが多いでしょう。
規模が大きいものだと、予算や会場の確保などが必要なことから、評価を共有できるように評価方法を設定し、結果を書類として提出することもあります。
評価方法について普段から考えておくと、後に役立つ場合が多いです。
進行時間・対象者への情報提供・注意点を同時に考えていく
例)退院指導の指導案
進行時間 | 対象者への情報提供 | 注意点 |
---|---|---|
◯分
◯分
|
・挨拶
こんにちは、〜。
・体の変化について 体の変化については〜。
|
・事前に初産婦・経産婦を確認しておく
・体調の良い/不良の確認(貧血や創傷の有無など)
・早口にならないように気をつける
|
このように、同時に考えていくと指導のイメージがしやすく、書きやすいです。
内容の構成例
どのように指導内容を展開していけば良いのか、考えるのは難しいと思います。
基本はテキストやマニュアルの内容に沿って考えます。
あとは、こちらも参考にすると考えやすいです。▼
授業設計理論 ガニエの9つの教授事象
導入 | ①学習者の注意を喚起 | 発問したり、関連するビデオを見せたりして、学習者の注意を引く。 |
---|---|---|
②授業の目標を知らせる | 今日の課題は何なのか、学習目標は何かを伝える | |
③前提条件を思い出させる | 以前の経験を思い出させたり、前回の授業の内容を確認する | |
展開 | ④新しい事項を提示する | 今日、学ぶ内容を提示する。小さなチャンク(区切り)に分けて提示する。 |
⑤学習の指針を与える | 意味のある形で覚えられるように助言したり、例をあげる。 | |
⑥練習の機会を作る | 今、学んでいる内容を実際にやってみる機会を作る | |
⑦フィードバックを与える | 出来具合をすぐにフィードバックする | |
まとめ | ⑧学習の成果を評価する | 質疑応答や学習者が実演する機会をつくり、目標達成状況を評価する。 |
⑨保持と転移を高める | 後日もう一度復習する機会をつくる。 |
手順や対象者への情報提供内容は、口頭文で考える
計画書などの場合は指導する内容の項目のみを記載したりもしますが、指導案の場合は実際に説明するかのように、口頭分で指導案を書いていくことが経験上多いです。
時間配分もわかりやすいですし、内容がより具体的に書面に現れます。
また、実際の指導の時に原稿として持っておくこともできます。
要点は何かを絞る
全てが大事なことに思えますが、対象者によってそれは異なります。
また、限られた時間内で説明しなければならないため、対象者の特徴に合わせて要点を変えましょう。
いくつかパターンがあると考えやすいと思います。
また、削れるところを考えておくのも良いと思います。
削れるというのは説明しなくても良いわけではなく、テキストを読むだけでも理解しやすそうな部分についてはそこを読んでもらうように促して、わからない点があれば質問してもらうようにすると良いでしょう。
書き終わったら実際に読んでみる
実際に読んでみると、言い回しが変な点やわかりにくい点などに気がつくことができます。
また、早口だと伝わりにくい場合が多いため、ゆっくり読んでも問題ないように時間にゆとりを持たせておくのがおすすめです。
おまけ
使用する資料やテキストにも進めやすい工夫をしておくと安心です。
付箋を貼っておいたり、メモを記入しておくとスムーズに実施できます。
さいごに
いかがだったでしょうか。
指導を行うにあたって、指導案は避けて通れない道です。
しかし、一度しっかりと作ってしまえば軸ができるので、その後仕事を続けていく中できっと役に立つと思います。
Pも、初めて指導案を作ってから何年も経ちますが、しっかりと調べて作った指導案は、その後新しい知識やアレンジを加えたりして形を変えつつも今も役立っています。
指導案の仕組みがわかれば作る負担も少しは減るし、対象者に伝われば、嬉しい・楽しいと思えることも増えます。
一人で悩むのではなく、一緒に頑張っていきましょう!
今回も最後まで見てくださってありがとうございます。
良かったらまた来てくださいね(^^)